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不眠症でお悩みの方へ睡眠薬との正しい付き合い方
2022.12.14
不眠症とは
昨今、不眠症で悩んでいる人が増加傾向にあるといわれています。
では、不眠症とはどんな病なのでしょうか。
今回の記事では不眠症でお悩みの方、睡眠の質や時間に不安を覚えている方に向けて解説します。
不眠症とは、「寝つきが悪い」「寝た感じがしない」などの何かしらの睡眠問題が1ヶ月以上続き、その睡眠問題により日中に精神的または身体への影響を及ぼす症状です。
症状が続くと、自分の生活の質が下がってしまい、仕事にも影響するので早めの対処が必要です。
自分1人での改善が難しい場合には病院に相談し、睡眠薬を服用するのも改善方法の一つとされています。睡眠薬は、適切に使用すれば安全性は高いと考えられていますが、副作用や依存性などが心配な方もいらっしゃることでしょう。
過度に不安にならず、まずは本記事でご自分の症状と照らし合わせて参考にしてみてください。
そもそも睡眠の周期って?
不眠症を詳しく解説する前に、睡眠の周期について簡単に解説します。
睡眠状況の構成は、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類です。
ノンレム睡眠からレム睡眠へ移り変わる流れが、90分間のサイクルで繰り返し行われます。
一般的にこの睡眠サイクルを一晩で4〜5回ほど繰り返すとされているため、6〜8時間程度の睡眠が好ましいとされています。
まずは普段の生活から、睡眠周期を整えるための行動を起こすことが重要です。
では、睡眠周期を整えるにはどうすれば良いのでしょうか。
睡眠周期を整えるための行動の一つとして、体内時計を正常に導くことが挙げられます。
「朝起きたら日光を浴びる」「食事を3食きちんと摂取する」など当たり前のようなことですが、意外とできていない方も多いのではないでしょうか。
また、 睡眠サイクルを意識して行動し、どうしても夜に眠くならない場合には睡眠の質を改善する栄養素や健康食品を活用するのも一つの方法です。例えば、GABAにはリラックス効果や睡眠の質を改善する効果があることが報告されています。
GABAとは、神経伝達物質で神経細胞の活性を抑える効果が期待できる物質で、食品ではチョコレート、キムチ、納豆などに含まれます。
サプリメントで摂取も可能なので、自分の生活に合わせて選んでみてください。
ほかにも、サイクルを整えるために、寝る前に睡眠を阻害・脳を覚醒する可能性のあるカフェインの摂取やタバコを吸う行為は避けるようにしましょう。
不眠症の症状
では、不眠症は具体的にどんな症状があるのでしょうか。
ここでまず注意いただきたいのが、不眠症には睡眠時間の長さは関係しないことです。
睡眠時間を確保できていると感じている方でも、不眠症の可能性があるのでよくチェックしてみてください。
症状の種類は大きく分けて4種類あります。
1つ目の症状は、入眠障害です。
寝たいのに眠れない、と悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。
夜寝る時間になり、ベッドに入り寝ようとしても寝付くことができない状態をいいます。
2つ目の症状は、中途覚醒です。
最初は寝付くことができるが、夜中に目が覚めてしまい、そこからもう一度入眠できない状態をいいます。
3つ目の症状は、早朝覚醒です。
最初は寝付くことができるが、朝早くに目が覚めてしまい、そこからもう一度入眠できない状態をいいます。
中途覚醒と早朝覚醒が起こる時は脳が覚醒状態のため、朝起きる時間まで深い睡眠を確保することができなくなってしまっています。
4つ目の症状は、熟眠障害です。
睡眠時間は充分にとれているものの眠りが浅く、深く寝た気がしない・疲れがとれていない状態をいいます。
熟眠障害のように、睡眠時間は確保できていても満足のいく睡眠ができていない場合も不眠症の一つとされています。
4種類とも、十分に疲れが取れないことで生活に支障がでてしまいます。
最初のうちは気にならなくても、蓄積すると大きな弊害につながるので要注意です。
不眠症の原因
不眠症はなぜ引き起こされるのでしょうか。
原因はさまざまで、心理的・身体的なものや、環境によるもの、日常的に摂取しているものによる副作用などが挙げられます。
大きく5種類に分けて、それぞれ詳しく解説していきます。
1つ目は、心理的な原因による不眠症です。
現代を生きる社会人はストレスにさらされる機会も多く、多くの方はストレスが原因で不眠を引き起こしています。
また、ストレスにさらされ続けていると、鬱や不安障害などの精神疾患を引き起こす危険もあります。
精神疾患と不眠はつながりが深いため、早いうちからストレスから離れるようにすることが重要です。
2つ目は、身体的な原因による不眠症です。
病気やアレルギーによる痒みや痛み、呼吸困難などで寝付けない場合もあります。
その場合は、病気の治療を優先しましょう。
病気以外にも、年齢を重ねると頻尿になる方が多く、夜中に尿意で目覚めてしまいそこから眠れないという場合もあります。
途中で起きてしまうことのないよう、利尿作用があるカフェインやアルコールの摂取は控えるようにしましょう。
3つ目は、睡眠環境が原因の不眠症です。
睡眠環境による不眠は、自分で改善できる部分が多いとされています。
例えば、騒音には耳栓、光を完全に遮断できない場合にはアイマスクなどさまざまな対策グッズが販売されています。
寝室の室温や湿度も睡眠の質に大きく影響しています。なかには、光熱費節約のために空調をぎりぎりまでつけない方もいるかもしれませんが、睡眠の質を優先させるようにしましょう。
できる限り、リラックス空間を作り出す努力が重要です。
それでも良くならない場合は、寝具が自分にあっていない可能性もあるのでオーダーメイドの枕を作るのもおすすめです。
4つ目は、摂取しているものによる不眠症です。
睡眠を阻害し、脳を覚醒させるといわれるカフェインやタバコ、アルコールの寝る前の摂取は控えるようにしましょう。
難しい方は、カフェインレス、ニコチンゼロ、ノンアルコールにまずは切り替えてみるのがおすすめです。
また、病気にかかっている場合、服用している薬が不眠を引き起こす副作用を持ち合わせている場合もあります。
その場合には、まずかかりつけ医に相談しましょう。
薬の服用がなくなれば自然と不眠も改善につながるので不安にならず治療を続けてくださいね。
5つ目は、生活リズムの変化が原因の不眠症です。
社会人になり夜間勤務に入るようになると、生活リズムにズレが生じていきます。
一度不眠症に陥ると、寝ることに対して強迫観念が生まれ、さらに寝付けないという負の連鎖が生まれる可能性もあります。
そのため、不眠でお悩みの方は放置せずに早めに改善するのが大切です。
不眠症で引き起こされる問題
不眠症になると、日中の生活に支障をきたす精神的・身体的問題が引き起こされます。
ただの疲労と勘違いする方もいますが、1ヶ月以上不眠症状が続き、精神的・身体的問題がある方は一度睡眠状況を確認してみてください。
精神的問題には、意欲低下・集中力低下・抑うつなどが挙げられます。
そして身体的問題には、倦怠感・頭重・めまい・食欲低下などが挙げられます。
また、日中は元気がないけれど、夕方になるにつれ元気が湧いてくる場合も不眠症による可能性があるため要注意です。
睡眠薬とは
睡眠薬とは、睡眠障害・不眠症を改善するために用いられる薬剤で、別名睡眠導入剤ともいわれます。
良いイメージを持っていない方も多いのではないでしょうか。
過剰に心配する必要はありませんが、睡眠の誘発・持続をもたらす効能があるとされている薬なので、正しく上手に付き合っていくことが重要です。
睡眠薬の種類は、構造による分類と採用時間による分類があるので解説していきます。
使用されることの多い睡眠薬
現在、不眠症や睡眠障害への処方として使用される頻度の高い睡眠薬を4種類紹介します。
どの睡眠薬も効果は似ており、不安を軽減し寝つきを良くする効果や、熟睡できないという悩みにアプローチが期待できます。
副作用は睡眠薬によって異なり、以下の通りです。
1つ目は、マイスリーです。
主な副作用は、ふらつきや頭痛、倦怠感、残眠感などがあります。
2つ目は、アモバンです。
主な副作用は、マイスリーの症状に加え味覚異常も起こる可能性があるとされています。
3つ目は、ルネスタです。
アモバンを改良した薬で、アモバンより副作用が出にくく、作用時間が長いとされています。
主な副作用は、口腔内の不快感や下痢・便秘などがあります。
4つ目は、レンドルミンです。
主な副作用は、ふらつきや幻覚などがあります。
現在処方されることの多い睡眠薬は依存性が低いものや副作用が軽いものも増えてきています。ぜひ一度病院で相談してみてください。
構造による分類
睡眠薬の構造は、大きく4種類に分けられます。
「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」「メラトニン受容体作動薬」「オレキシン受容体拮抗薬」です。
「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」と「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」は総称し、ベンゾジアゼピン受容体作動薬と呼ばれています。
特徴としては、脳の機能を低下させ眠りに導く点です。
「メラトニン受容体作動薬」と「オレキシン受容体拮抗薬」は、自然な眠気を徐々に強くし睡眠習慣をつけさせます。
また、睡眠薬には分類されないものの睡眠作用のある薬剤である抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬などがあります。
作用時間による分類
睡眠薬は、作用時間によって超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4種類に分類されます。
この場合の作用時間が何をさすかというと、半減期という、服用した睡眠薬の濃度が半分に至るまでにかかる時間をさします。
それぞれの型の分類を解説していきます。
1つ目は、超短時間型で、作用時間は2〜4時間程度です。
具体的な睡眠薬の名前にはマイスリー、 トリアゾラム、アモバン、ルネスタ、ハルシオンなどが挙げられます。
ハルシオンが催眠効果が高く、次いでアモバン、マイスリー、 ルネスタの順となっています。
2つ目は、短時間型で、作用時間は6〜10時間程度です。
具体的な睡眠薬の名前にはレンドルミン、ロラメット、エバミール、リスミーなどが挙げられます。
なかでもレンドルミンは、催眠作用が比較的強いため入眠障害だけでなく、中途覚醒や早朝覚醒にお悩みの方にもおすすめです。
ロラメット、エバミール、リスミーは穏やかな効果の感じ方なので、自然な眠気を導いて欲しい方に向いています。
3つ目は、中時間型で、作用時間は12〜24時間程度です。
具体的な睡眠薬の名前にはロヒプノール、サイレース、ベンザリン、ネルボン、ユーロジン、エリミンなどが挙げられます。
これらは中途覚醒や早朝覚醒でお悩みの方におすすめです。
サイレースは強い催眠効果を持つため幅広い睡眠のお悩みに効果が期待できます。
4つ目は、長時間型で、作用時間は24時間以上です。
具体的な睡眠薬の名前にはドラール、ダルメート、ベノジール、ソメリンなどが挙げられます。
なかでもドラールは作用時間が長く、睡眠を維持する効果も強いとされています。
長時間型は作用時間が長く、長いものであれば30時間を越えるので、眠気を次の日の日中まで持ち越さないように注意しましょう。
不眠症状の種類によっておすすめの作用時間は異なるのでよく確認しておくのがおすすめです。
睡眠薬の選び方
実際に睡眠薬を選ぶときのポイントを解説します。
不眠症の症状は大きく分けて3パターンあるため、自分の不眠症の症状に合わせて選ぶようにしましょう。
3パターンそれぞれの睡眠の悩みに合わせた睡眠薬の選び方を紹介します。
まず1つ目は、寝つきが悪い入眠障害で悩んでいる場合です。
寝つきの改善には、超短時間作用型の睡眠薬がおすすめです。
具体的な睡眠薬の名前は、マイスリー、トリアゾラム、アモバン、ルネスタ、ハルシオンなどのベンゾジアゼピン系睡眠薬が挙げられます。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬以外でも、オレキシン受容体拮抗薬も効果が期待できます。
作用時間は2〜4時間程度で短めなので、寝つきが良くなるだけではなく目覚めが良くなるというメリットも期待できます。
2つ目は、睡眠の途中で起きてしまい、その後眠りにつけない中途覚醒・早朝覚醒で悩んでいる場合です。
症状が比較的軽い方は超短時間型や短時間型の睡眠薬、症状が重い方は中時間作用型や長時間型の睡眠薬がおすすめです。
オレキシン受容体拮抗薬も効果が期待できます。
症状が重い方以外でも、慢性的に不眠症に悩んでいる方は中時間作用型や長時間型がおすすめです。
3つ目は、睡眠時間を確保しているものの、しっかりと睡眠したように感じられない熟眠障害で悩んでいる場合です。
寝た気がしない悩みを改善するには、長時間作用型の睡眠薬がおすすめです。
また、寝つきが悪い・途中で起きてしまう理由が不安からくるという方は、抗不安効果のある薬剤を処方してもらいましょう。
しっかりと自分の状況を医師に相談し、処方してもらってくださいね。
睡眠薬の使い方と注意点
睡眠薬は必ず正しい用量用法で服用することが重要です。
自己流で睡眠薬を服用してしまうと、かえって症状が長引いてしまったり、薬に頼らないと眠れなくなってしまったりする可能性があります。
また、診察を受けず、他人から譲り受けるといった行為は法律に触れるので厳禁です。
精神科や心療内科の医師は睡眠薬の使い方に精通しており、できるだけ副作用や依存性の問題が起きないように薬を処方しています。不安にならず気軽に病院に相談してみてください。
正しい服用方法を守る
睡眠薬の服用方法においてもっとも重要なのは、相談した医師に指示された内容での服用方法を守ることです。
自己判断で服用の仕方を変えると、場合によっては症状を悪化させる恐れもあるので気をつけましょう。
分からない部分は、医師に相談し疑問のない状況で服用を開始すると心配なく服用できます。
服用時の注意点と副作用
睡眠薬を服用する際の注意点と、引き起こされる可能性のある副作用を解説します。
まず、注意点から説明します。
睡眠薬を服用する際には、必ず正しいタイミング、正しい回数、そして正しい錠剤数を服用しましょう。
服用をやめるタイミングも、医師の判断をあおいでくださいね。
他の薬剤でもいわれることが多いですが、服用前後の飲酒もNGとされています。
眠くならないからといって、自己判断で錠剤数を追加してはいけないので要注意です。
また、睡眠薬によっては食後の服用をNGとしているものもあるので、医師に良く確認しましょう。
続いて副作用を説明します。
引き起こされる可能性のある副作用はさまざまで、筋弛緩作用によるめまいやふらつき、だるさ、喉の渇き、血圧への影響、持ち越し効果などが挙げられます。
持ち越し効果とは、翌日の日中まで眠気が続くことです。
ほかにも、睡眠薬を飲んだあとは、急激に眠気に襲われたり、健忘作用により記憶があいまいになったりする可能性があるので、どこかに出かけるのも避けましょう。
副作用が生活に支障をきたすような場合は、すぐに医師に相談するのがおすすめです。
睡眠薬以外で睡眠作用を促す方法
不眠症で悩んでいるものの理由があって薬の服用ができない、または懸念がある方に向けて睡眠薬以外でも睡眠を促す方法をご紹介します。
また、睡眠薬を服用しながらできる睡眠作用を促す方法もあわせて紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。
睡眠導入効果のある薬の服用
睡眠薬以外にも、睡眠導入効果のある薬を漢方を含めてご紹介します。
まず、薬剤のなかでは、抗うつ剤や抗不安剤、抗精神病薬などに催眠作用が含まれていることがあります。
ほかにも風邪薬や痛み止めなどにも副作用として眠気を誘うものもあるので、薬を常用的に服用してる方は、必ず医師に相談するのがおすすめです。
しかし、あくまで副作用として眠気を誘うものなので、長期的な服用は避けましょう。
また、漢方のなかにも不眠にアプローチの期待できるものがあります。
本記事では3種類の漢方をご紹介します。
1つ目は、酸棗仁湯(サンソウニントウ)です。
酸棗仁湯は、気を鎮めて精神を安定させる効果が期待できます。
そのため、心身が疲れてしまったことが原因による不眠症の方、または自律神経失調症による不眠の方におすすめです。
睡眠のリズムが崩れてしまった入眠障害でお悩みの方や、いくら寝ても熟睡感がない熟眠障害の方に効果的とされています。
2つ目は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。
加味逍遙散は、いらだちや不安からくる不眠に効果が期待できるとされています。
ホルモンバランスを整える働きもあるため、特に女性におすすめです。
3つ目は、抑肝散(ヨクカンサン)です。
抑肝散は、いらだちや怒りからくる不眠に効果が期待できるとされています。
大人に起こる神経症状にアプローチが可能です。
体内バランスを整える
睡眠導入効果を高めるには、体内バランスを整え、体内時計を正常に戻すことも重要です。
睡眠薬を服用しながらでも、もちろん実践できます。
体内時計を正常にする方法は、一定の時間に就寝し起床し習慣化させることです。
社会人の方で多いのが、仕事の日は一定の時間に起床するものの、休日に遅く起きるといったパターンです。
そうすると、休日で体内時計のリズムが崩れてしまいます。
できるだけ、仕事の日と休日と問わず一定の時間に就寝し起床するよう心がけましょう。
また、「朝起きたら日光を浴びる」「3食きちんと食事をとる」「有酸素運動を行う」などもバランスを整えるのに効果的です。
ストレスをかけない程度に、体内バランスを整える行動を起こすのが大切です。
睡眠環境を整える
睡眠環境を整えるのも、睡眠薬を服用しながらでも実践可能です。
就寝前の準備と就寝時、それぞれ解説します。
就寝前はできる限り副交感神経を優位に立たせ、リラックスできる状況を作り出すようにしましょう。
リラックス状況を作り出すには、「お風呂にゆっくり浸かる」「携帯を手放す」「アロマを炊く」などが挙げられます。
すぐに実践できる内容ばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。
また、睡眠環境の面では「寝具を自分に合ったものに変える」「室温を調整する」「光を遮断する」などで睡眠の質が良くなるとされています。
睡眠薬のQ&A
睡眠薬を服用する前に知っておきたいポイントをQ&Aでまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
知識を深めてから服用することで、なんとなく不安だった部分の払拭につながりますよ。
依存性は心配ない?
睡眠薬の服用は依存性が高い、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。たしかに、不眠の原因を放置したまま、なんとなく使い続けていると、なかなか薬を止めることが難しくなってしまいます。しかし、きちんと不眠の原因を改善し、睡眠薬を適切な量とタイミングで服用すれば、自然と不眠症も改善されていきます。
一方、自分の判断で服用を止めてしまうと、かえって不眠症状が悪化する可能性もあります。
薬を減らす時は必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。
市販の睡眠薬ってどうなの?
最近では、市販でも睡眠薬が手に入れられるようになりました。
しかし、長く悩まされている不眠症を改善する目的での購入はおすすめできません。
なぜなら市販で睡眠薬として販売されているものは、アレルギー反応の改善を目的とした薬の副作用である眠気を利用しているからです。
本来の目的が眠気をもたらす薬ではないため、市販の睡眠薬を長期的に用いるのは避けるのが良いとされています。
また、病院で購入した睡眠薬を服用している期間は、アレルギーの薬や風邪薬の服用が問題ないのかきちんと医師に相談するようにしましょう。
妊娠中の睡眠薬服用はいいの?
妊娠中の睡眠薬の服用は、基本的には推奨されていません。
睡眠薬に限らず、妊娠中の薬剤の摂取は催奇形性の恐れがあるとされているため避けられています。
しかし、母体の不眠症の症状によっては服用したほうが良い場合もあります。
万が一、睡眠薬を服用中に妊娠が発覚した場合、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。
正しく睡眠薬と付き合おう
睡眠薬は、不眠で悩む人が増えてきた現代社会において強い味方です。
なんとなくイメージで睡眠薬を敬遠していた方も、まずは気軽に医師に相談してみるのがおすすめです。
不眠で慢性的に悩んでいる方、日常生活に支障をきたしている方はぜひ睡眠薬の服用を検討してみてください。
正しい用法用量で摂取すれば、不安になることなく不眠症状を改善へと導いてくれます。
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今野 裕之Konno Hiroyuki
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- 略 歴
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順天堂大学大学院卒業。老化予防・認知症予防に関する研究で博士号を取得。 日本大学附属板橋病院・薫風会山田病院などを経て2016年にブレインケアクリニック開院。各種精神疾患や認知症の予防・治療に栄養療法やリコード法を取り入れ、一人ひとりの患者に合わせた診療に当たる。認知症予防医療の普及・啓発活動のため2018年に日本ブレインケア・認知症予防研究所を設立、代表理事就任。2019年より現職。著書に「最新栄養医学でわかった! ボケない人の最強の食事術(青春出版社)」、その他監修など多数。美咲クリニック顧問瞳美容研究所ドクター予防医療研究協会理事
- 専 門
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博士(医学)精神保健指定医日本精神神経学会精神科専門医日本精神神経学会認知症診療医日本抗加齢医学会専門医リコード法(米国発のアルツハイマー病の統合治療プログラム)認定医
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